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坂口フラスコと振盪培養機

振盪培養機の歴史的背景

1944(昭和19)              国産ペニシリン(碧素・表面培養法)森永食糧工業
1946(昭和21)              ペニシリン産業化推進指令
1946(昭和21)              Foster博士一行が東レ滋賀工場を視察製造プラント確認
1947(昭和22)              国内初のタンク培養によるペニシリン生産(東レ滋賀)
1950(昭和25)              坂口謹一郎・村尾澤夫 ペニシリンアミダーゼ
1953(昭和28)              加藤嵩一 6-アミノペニシラン酸

太平洋戦争下の軍需生産の項に,“砂糖を原料としてブタノールを製造とあり、このプラントがそのまま残り、1947年に東レの滋賀工場で我が国初めてのタンク深部培養によるペニシリン生産が開始されたと記されています
運転可能な300Lタンクがあり、その培養運転のデータ−取りのために試験用発酵槽20Lジャ−(丸菱理化装置研究所製)と種菌培養装置(いわしや澤田健蔵商店製)が準備されたとされています。
この時に種菌(胞子懸濁液)を作るために作られた装置が、坂口フラスコと往復式振盪培養機です。

この時のペニシリン生産は
いわゆる醗酵生産におけるスケ−ルアップと考えるより、スケ−ルダウンと捉えた方が適切です。
有用物質が獲得できそれをタンクで大量培養するためにはというより、すでに既知の有用物質を既存の発酵タンクで生産する、その条件検討デ−タ−を取るための試験用発酵槽20Lジャ−を運転する、その種菌培養装置が坂口フラスコ振盪培養機と云う歴史的事実です。
坂口フラスコ振盪培養機は微生物の初期培養装置として開発されたわけではなく、利用されたかもしれませんが、ただ単純にタンクの種を増やすことを目的として製作された装置という事です。
この種菌培養装置はペニシリン培養振盪装置と云う特許になりました。

坂口謹一郎・村尾澤夫 ペニシリンアミダーゼから坂口フラスコ振盪培養装置は微生物の初期培養機として、微生物研究に用いられ振盪培養機は一世を風靡、坂口フラスコは三角フラスコへ変わっていきましたがその位置づけは、好気性微生物の振盪培養装置です。

坂口フラスコの最大の特長は高い酸素移動速度で、容量500ml 往復式振盪 振幅70mm、振盪数110rpm 時の同等の酸素移動速度を回転式振盪で得るためには振幅70mm280rpmが必要とされます。
何故、酸素移動速度を犠牲にして坂口フラスコ振盪培養が三角フラスコ振盪培養に移行していったのか、巷で言われている坂口フラスコの洗浄の難しさではなく、坂口フラスコの再現性に問題があったとする方が妥当だと言えます。
坂口フラスコは往復運動により培養液が肩にあたりフラスコ中心に砕け落ちます、この時に酸素を液中に巻き込みます、この動きは一定ではありません。
三角フラスコは偏芯回転運動で培養液はフラスコ壁面に沿って回転し液表面が移動し液表面から酸素を取り込むいわゆる層流、これに対し坂口フラスコは乱流でこの差が再現性に影響を及ぼします。

フラスコ培養の環境と攪拌式培養装置(ジャ−ファメンタ−)のそれとは異なる培養環境であることに留意する必要があります。
攪拌式培養装置とフラスコ培養では、混合攪拌、酸素移動、換気能のメカニズムに大きな差があります。
フラスコ振盪ではフラスコそのものを偏芯回転させ混合攪拌しますが、攪拌培養では容器は固定され、攪拌軸に取付けたタ−ビン羽根が回転することで、混合攪拌を行います。当然回転する攪拌羽根でシュアストレスが発生し、細胞に影響を及ぼします。
酸素移動を考えると、フラスコ培養では液表面からの平衡と拡散の自然発生力で移動しますが、攪拌培養ではスパ−ジャ−等で液中に直接に吹き込まれ、細かい泡をタ−ビン羽根が破砕する事で液中に取り込まれていきます、換気能で云えば攪拌培養では排気管があるので、排気にある意味制限はありません、しかし、フラスコ培養では取付けられた綿栓があるので、排気に抵抗が生じます。
また、攪拌培養装置では酸素供給管と排気管は各々設定されていますが、フラスコ振盪培養では外部に接する口はひとつなのでここで流体干渉の問題が発生します。
タンク培養を目的とするのであれば、AK通気スクリ−ニングが有効であり、フラスコ振盪培養で有用物質が獲得され、大量培養に移行するのであれば、できるだけフラスコ振盪培養環境を維持する大型の培養装置を考える必要があります。

 

 

 

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